大きな壺に満たされた深い青色の藍汁、手織りの亜麻布、そして少数民族「モン」族の人々の器用な手仕事によって、途絶えかけていた伝統工芸が息を吹き返し、観光客を魅了する体験型コンテンツとして生まれ変わっています。

既製服の普及に伴い、亜麻を織り、藍で染めた伝統衣装を見かける機会は徐々に減っていきました。若者の工芸離れが進み、この技術を継承する人々はごくわずかとなりました。しかし、「自らの民族の文化的な価値を守らなければならない」という強い使命感から、途絶えかけていた伝統技術の復興に向けて試行錯誤を重ねる若者たちが立ち上がりました。

タスア村に住むモン族にとって、藍染めは単に布を独特の青色に染め上げる工程にとどまりません。その濃密な藍色の奥には、何世代にもわたって大切に受け継がれてきた紋様が刻まれています。刺繍のひと針、紋様のひとつひとつに各系統の歴史が反映されており、自らのルーツや文化的アイデンティティを象徴する重要な要素となっています。

タスア村でモン族の伝統的な藍染め技術の保全に取り組むタオ・ア・チョンさんは、次のように語りました。

(テープ)

「地域ごとに異なる風習が存在します。タスア村には黒モン族とモンシィ族という2つの系統が存在します。織物の技術自体は共通していますが、あしらわれる紋様には明確な違いがあります。衣装に施された紋様を見ることで、どちらの系統であるかを判別することができます」

鮮やかな藍染めを成功させるための工程は決して容易ではありません。特に藍液の仕込み段階では、耐久性と発色に優れた最良の色合いを引き出すため、精密な計算と管理が求められます。

タスア村の藍染め工房の創設者であり、指導にあたるグエン・チョン・ティンさんは次のように説明します。

(テープ)

「新しく藍を仕込んだ際、他の素材とは異なり、すぐには染色に使用できません。最高の品質と色合いを得るためには、発酵のために最大で約1か月間の時間を要します。十分な時間をかけて熟成させることで初めて、大量生産や着色が可能となります。適切に管理された藍液で染め上げた製品は、数十年経過しても色あせることがありません」

現在、この工房では毎月約100点の製品を生産し、数十人の体験観光客を受け入れています。事業規模はまだ小規模にとどまるものの、故郷で伝統を守る人々に「自らの選択は正しい方向へ向かっている」という確信を与えるには十分な成果を上げています。

かつては雲海に昇る朝日を鑑賞することや、いわゆる「恐竜の背骨」と呼ばれる景勝地の散策がタスア村を訪れる主な目的でしたが、現在では旅行者の旅路に新たな目的地が加わっています。

その空間では、訪れた人々が慌ただしい日常を忘れ、落ち着いた時間を過ごしています。工房に座り、原料となる藍の植物にまつわる物語に耳を傾けながら、自らの手で白い布を壺の中の藍液へと浸していきます。そして、浸す回数を重ねるごとに徐々に深く鮮やかになっていく青色を気長に待ちます。素朴な体験でありながらも、モン族の暮らしや文化に深く触れる機会となっています。

ハノイ市から訪れ、タスア村でモン族の藍染め工程を体験したタ・ニュンさんは、次のように感想を述べました。

(テープ)

「最も強い印象を受けたのは藍染めの工程です。純白の布が藍液に浸されることで、独特で深みのある色合いへと変化していきます。また、布地に描かれた蜜蝋の模様は、染色後に鮮やかな白色として浮かび上がります。特に驚いたのは、藍染めされた布地を他の衣服と一緒に洗濯しても、全く色移りしない点です。こうした天然の原料を用いることで、モン族の伝統衣装ならではの独自の色彩が生み出されていると感じました」

ソンラ省タスア村における藍染め技術は、村の生活リズムに合わせて若者たちの手によって語り継がれています。本来の価値をそのままの形で伝えることで、大切な伝統文化を未来へと継承していく取り組みが続いています。