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ハティン省:50年以上の歴史を誇る黒蜜造りの伝統村

2026/4/14 | 17:00:00
(VOVWORLD) -ヴークアン村のサトウキビからつくる黒蜜は、今やこの地の特産品となり、住民に安定した収入をもたらすだけでなく、地元の伝統文化の継承にも大きく貢献しています。
ヴークアン村の住民らが、黒蜜を作るためのサトウキビ収穫に追われ (写真: Kim Lieu/VOV5)

ベトナムの中部ハティン省山間部ヴークアン村に、半世紀以上にわたり黒蜜を煮詰める火を絶やさずに守り続けている村があります。ヴークアン村のサトウキビからつくる黒蜜は、今やこの地の特産品となり、住民に安定した収入をもたらすだけでなく、地元の伝統文化の継承にも大きく貢献しています。

夜が明ける前から、村人たちは畑に出てサトウキビを刈り取り、搾りかすから汁を取り出す準備に追われます。薪を使った煮詰め釜からは絶えず煙が立ち上り、甘い香りが村全体を包み込みます。この作業は重労働で熟練の技と忍耐が必要ですが、多くの家族にとって、それは長年親しまれてきた生活のリズムそのものです。ヴークアン村におけるサトウキビ蜜造りの伝統は、50年以上の歴史を誇っています。

ハティン省ヴークアン村人民委員会のファン・ホン・イェン委員長は次のように述べました。
(テープ)
 「サトウキビの栽培と黒蜜造りには長い歴史があります。現在、ヴークアン村のトディエン区は伝統工芸村として知られています。1ヘクタールのサトウキビ畑あたりの収益は約1億2000万ドンから1億3000万ドンに達します。ヴークアン村のサトウキビ製品は、一村一品運動(OCOP)で3つ星の認定を受けており、実務面でも他の作物より栽培の利点が多いことが証明されています」

かつてヴークアン村は、ハティン省における主要なサトウキビ原材料の供給地でした。しかし、市場の不安定さや価格変動を受け、住民たちは付加価値を高めるため、自ら黒蜜を製造する形態へと転換しました。当初は数軒の小規模農家から始まりましたが、今では地域の経済を支える伝統産業へと成長しています。

現在、村全体の作付面積は30ヘクタールを超え、年間約190トンの黒蜜を市場に供給しています。例年、旧暦の10月から12月初旬にかけてが最盛期です。この時期のサトウキビは糖度が高く、最も香り高い黒蜜ができるため、一斉に収穫と製造が行われます。

収穫されたサトウキビは細かく切って搾汁され、その汁を大きな釜で5時間から7時間かけてじっくり煮詰めます。そうすることで、とろみのある美しい色合いと、自然な甘みを持つ黒蜜が出来上がります。

製造農家の一人、ルオン・ヴァン・ダットさん(35歳)は次のように語っています。
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 「黒蜜造りは複雑な工程で、美味しい蜜を作るには技術と経験が欠かせません。搾汁の後は、薪をくべて火力を調整します。1釜の黒蜜を作るのに約100リットルのサトウキビ汁を使います。沸騰すると不純物が浮いてくるので、それを手早く網ですくい取らなければなりません。そうしないと、釜から溢れ出してしまうのです」

最も重要なのは火加減の維持です。火が強すぎたり、かき混ぜる手が止まったりすると焦げ付きの原因になり、逆に火が弱すぎると煮詰まるまでに膨大な時間がかかってしまいます。この緻密な作業こそが、美しい琥珀色と、すっきりとした甘み、独特の粘り強さを生み出すのです。

30年以上この道一筋のダン・ヴァン・タインさんは次のように述べています。
(テープ)
 「最後の煮詰めの工程が最も大変な作業です。ここでは常に均等に手を動かしてかき混ぜ続けなければなりません。沸騰した時にアクを素早く取り除かないと、色が黒ずみ、風味も落ちてしまいます。汁がとろみを帯び、赤みを帯びてきたら完成です。冷めた時に表面に砂糖の泡が浮いてくれば、合格点です」

ヴークアン村の黒蜜は省レベルの「一村一品」製品に認定

現在、生産者たちは「ソント黒蜜サービス協同組合」を設立し、集中的な生産管理体制を整えています。これにより、ブランド価値が高まり、全国への流通が可能になりました。

ドアン・ティ・ニャン組合長は次のように明らかにしました。
(テープ)
 「当組合では年間1万5000から2万リットルの黒蜜を供給しています。今年は注文が非常に多く、工場はフル稼働状態で、一日中火を絶やすことがありません。現在は1日に約3〜4トンのサトウキビを搾り、約300リットルのサトウキビ蜜を生産して需要に応えています」

2020年、ヴークアン村の黒蜜は省レベルの「一村一品」製品に認定されました。これにより品質が公的に保証され、市場拡大のチャンスが広がっています。

現代社会の激しい変化の中でも、ヴークアン村の黒蜜造りの村は静かに、しかし力強く存続しています。赤々と燃える釜の火は、サトウキビの甘みを引き出すだけでなく、現代における伝統産業の灯を絶やすことなく守り続けているのです。

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