広大な緑が広がるケコック集落の茶園では、時代の変化が鮮明に現れています。かつては人の手に頼っていた灌漑作業も、現在は自動・半自動システムへと置き換わりました。特に一部の農地ではデジタル技術が広く浸透しており、農家はスマートフォンだけで天候の確認から施肥の管理、灌漑の操作まで行えるようになっています。
ケコック茶農業協同組合のトー・ヴァン・キエム取締役会長は、次のように述べています。
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「以前は、日々の作業内容を伝統的な手書きのノートに記録していました。しかし、ベトナム郵便通信グループの『Green』というアプリを導入したことで、スマホで農業日誌を付けられるようになり、利便性が飛躍的に向上しました。また、約2ヘクタールの試験的なモデル農園では、全自動灌漑システムも導入しています。センサーが気温の上昇や土壌水分の低下を検知すると、システムが作動して自動で給水が行われます。これは農家にとって非常に画期的なことです」
ケコック集落では、全142世帯のうち137世帯が茶の栽培に従事しており、その面積は約90ヘクタールに及びます。デジタル技術、特に「電子農業日誌」の導入により、一つ一つの茶芽の産地や生産過程が明確になりました。また、近代的な灌漑技術の恩恵で、冬の時期にも収穫が可能となり、経済効率が目に見えて向上しています。
住民のドン・ティ・リエンさんは次のように語っています。
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「デジタル管理によって、作業時間の正確な把握や、規定に沿った栽培、適切な休薬期間の確保が可能になりました。その結果、消費者からの信頼も高まっています。今後も技術活用を進め、茶業を発展させていきたいです」
ヴォーチャイン村のデジタルトランスフォーメーション(DX)において、地方行政府は「架け橋」としての役割を担い、協力組織や協同組合をデジタル・エコシステムへと導いています。アプリによる気象監視や栽培スケジュールの管理は、労働コストの削減だけでなく、茶の生育状況を正確な数値で把握することに貢献しています。
村農民協会のグエン・ティ・トゥイ会長は次のように述べています。
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「現場のニーズに基づいた技術導入であったため、農家の皆さんも非常に意欲的です。私たちはベトナム郵便通信グループや、専門機関と連携し、DXに関する専門的な研修を実施してきました。特に昨年は、トレーサビリティの導入に重点を置きました。これにより、製品情報の透明性が確保され、市場における地元製品の競争力と価値が向上しています」
ヴォーチャイン村において、DXは単なる一時的な流行ではなく、村党委員会の決議に基づいた重要任務と位置づけられています。
村党委員会のホアン・ヴァン・ティエン委員長は、栽培から収穫、加工、流通に至るバリューチェーン全体の完全デジタル化を目標に掲げています。
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「農業、特に茶業における科学技術の応用とイノベーションを加速させることが不可欠です。私たちの目標は、原材料生産地を持つすべての企業や協同組合が、デジタル技術を用いて生産から流通までのサプライチェーンを一元管理することです。情報の透明性を担保し、ヴォーチャイン茶のブランド価値をさらに高めていきます」
スマホの操作やデジタル日誌といったケコック集落の新しい光景は、村の姿を大きく変えようとしています。デジタルの力は、単に茶の価値を高めるだけでなく、農家の意識を「伝統的な農業」から「ハイテク農業」へと転換させ、高い経済的成果をもたらしています。