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まな板作りのディンアン村

2026/5/5 | 17:00:00
(VOVWORLD) -ベトナム南部ドンタップ省ライヴン村アンホア集落には、70年以上の歴史を誇り、地域一帯にその名を知られる「木製まな板」の伝統工芸の村があります。

まな板作りのディンアン村は、国道54号線沿いに位置しています。この村へ足を運ぶと、道路の両脇には天日干しされる無数のまな板が並び、作業場からは木を切る音や研磨する音が響き渡る光景が見られます。川沿いの岸辺では、原木を積んだ舟が製材所への荷揚げを待つ列を作っています。

地元の高齢者たちによりますと、この工芸村の正確な起源は定かではないものの、20世紀の半ばにはすでに全盛期を迎えていたとのことです。かつてこの地域の住民は、舟で遠方の地方まで農産物を運んで商いをしていました。その帰り道、屋根を葺く葉や、柱材として使う「テリハボク(Mù u)」の木を買い求めたのが始まりでした。余った木材を妻や子供たちの調理用にまな板として加工したところ、次第に余剰分を販売や物々交換に充てるようになったといいます。その品質の高さは瞬く間に評判となり、注文が殺到しました。こうしてディンアンは、活気あふれる工芸の村へと発展しました。

一家で2代目となる職人のグエン・ヴァン・ティさんは、次のように明らかにしました。

(テープ)
 「以前、父は農機具の材料としてテリハボクを仕入れていました。その端材をまな板にして市場に出したところ、非常に好評で、徐々に生産規模を拡大してきました。昔は手作業で細々と生活を支える程度でしたが、現在は機械の導入により生産量が飛躍的に伸びています」

ディンアンのまな板が主婦たちに支持される理由は、主に3点あります。第一に、硬い木目による圧倒的な耐久性です。色が鮮やかで、強く叩いても木屑が食材に混じることがありません。第二に、地元産の原料を使用しているため、手頃な価格であること。そして第三に、円熟したフォルムと光沢のある美しさです。

まな板は直径20センチから50センチまで多種多様で、テリハボク、センダン、マンゴー、ジャックフルーツなど様々な木材が使われます。特に化学薬品を一切使用せず、天日干しのみで仕上げる手法により、カビに強く清潔な状態を保つことができます。

製作所のオーナー、グエン・クオック・ヴィエットさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
 「先祖代々伝わるこの仕事は、一切の化学薬品や着色料を使わない『無垢のまな板』が自慢です。仕上がりの美しさにもこだわっており、村全体で1日1,000枚ほど生産し、メコンデルタ全域に出荷しています。これにより住民の所得も向上しました」

職人たちのこだわりは、樹齢を重ねた太い原木を選び、乾燥させて樹液を完全に取り除くことから始まります。工程は、裁断、型取り、荒削り、研磨など多岐にわたります。機械の補助はあるものの、最終的な品質は職人の経験に委ねられます。特に、割れを防ぐための厚みと円周のバランス調整や、機械では出せない滑らかな質感を出すための「手作業による仕上げ研磨」は、熟練の技術が不可欠です。

この仕事は重労働であり、分業制で行われます。男性が原木の運搬や切断を担い、女性が研磨や乾燥を担当します。特に天日干しの工程は天候に左右されやすく、雨が続けば仕上げまでに1週間以上かかることもあります。

最も希少価値が高いのは、テリハボクの古木を使用したまな板です。研磨担当のレ・ミー・チャンさんはその魅力を次のように説明します。
(テープ)
 「まな板は表面が滑らかであることが重要で、良質なものを選ぶならムクロジの木材や、センダンの木材が最適です。現在、当地ではマンゴーの木材によるまな板は製造されていません。現在、テリハボクのものは最高級で、10年は持つと言われています。カビが生えず、木屑も出ないので、長く愛用していただけます」

通常、1世帯あたり1日200枚ほど生産されますが、需要が高まる旧正月前には1000枚に達することもあります。毎年、8月から11月までの増水シーズン()を迎えると、ディンアンの村は例年以上の活気に包まれます。

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VOV/VOVworld

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