「ベトナム技術・イノベーション投資レポート2026」が、5月28日に開催される「ベトナム・イノベーション投資フォーラム2026」にあわせて公表される予定です。

この報告書は、技術やイノベーション分野への投資動向を振り返るだけでなく、制度改革や競争力強化を通じて、質の高い投資資金の誘致を進めようとするベトナムの姿勢を示すものとして注目されています。

改革の中心に企業を据える

世界的な競争が激しさを増す中、多くの国がAI=人工知能、半導体、ビッグデータ、グリーン技術などの戦略分野への投資誘致を強化しています。ベトナムもこうした流れに積極的に対応しています。

これまでのように低い人件費や税制優遇を主な競争力とするのではなく、透明性の高い制度や投資環境、活発なイノベーション・エコシステムを強みにする方向へと転換を進めています。その背景には、科学技術やイノベーション、デジタル転換の推進に関する決議第57号や、民間経済発展に関する決議第68号のほか、ハイテク、電子取引、AI関連の法整備があります。

また、政府はフィンテックやAI、半導体など新たな分野に対応する「サンドボックス制度」の導入も進めています。特に今年4月29日には、政府が8本の決議を公布し、184の行政手続きと890の事業条件を廃止しました。

これについて、ベトナム民間投資開発機構の創設メンバーで、投資ファンド「NGFパートナー(NGF Partner)」の創業者兼最高経営責任者であるマックス・F・シャイヒェノスト氏は、次のように述べました。

(テープ)

「私はこれまで多くの市場に投資してきましたが、行政手続きの簡素化は投資家にとって非常に重要です。2014年に初めてベトナムへ投資した際には、投資許可の取得に数か月かかりました。今回、ベトナム政府が手続き簡素化と許認可期間の短縮を打ち出したことは、外国投資家や大型案件を呼び込むうえで大きな前進だと思います」

さらに、イノベーションに対する考え方も変化しています。かつては実験的な存在と見られていたスタートアップが、今では新たな成長の原動力として位置づけられるようになりました。

国家イノベーションセンターの設立やスタートアップ投資基金、外国投資家とのマッチングプログラムなどは、地域競争力を持つエコシステム構築への強い意志を示しています。

投資コンサルティング会社「メコン・パートナーズ(Mekong Partners)」の最高経営責任者であるマイケル・ドリオル氏は、次のように話しました。

(テープ)

「ベトナムは、コスト重視型の経済から、能力重視型の経済へと移行しています。高度人材やエンジニアが増え、サービスも高度化し、国内企業の国際競争力も高まっています」

改革と投資家支援への強い姿勢

国際的な投資資金が慎重さを増し、透明性や安定性、持続可能性への要求が高まる中、ベトナムは改革を進め、投資家とともに歩む姿勢を明確に打ち出しています。

今回の報告書公表は、単なる市場分析にとどまらず、知識や技術、イノベーションを基盤とする経済づくりへの意思を示す機会ともなっています。

フォーラムの共同主催者である投資ファンド「ドー・ベンチャーズ(Do Ventures)」のレ・ホアン・ウエン・ヴィ最高経営責任者は、次のように述べました。

(テープ)

「ベトナムが戦略的技術分野への投資を呼び込むため、大きな政策転換を進めていることを、世界の投資家に伝えたいと考えています。そして、投資家と投資先企業が新たな成長の原動力となり、ベトナムがイノベーションと科学技術の先進国へと成長することを期待しています」

投資・ビジネス環境改革に対する発想の転換は、国際的な企業や投資家との信頼関係を強化する重要な土台となっています。

今後、こうした改革は、ベトナム経済の競争力向上や質の高い資本の呼び込み、さらには持続可能な成長の実現に向けた大きな原動力になると期待されています。