形式は凝ったものではありませんが、儀礼性と象徴的な意味合いを色濃く帯びた舞です。規則正しい足取りと柔らかなしぐさは、神々への呼びかけであり、貴重な客人を迎え入れ、村の喜びに共に溶け込んでいくかのようです。
(エデ族の銅鑼の音)
重々しく響く銅鑼の音の中、エデ族の娘たちが、静かにお酒の壺のそばへと歩み出て、伝統の酒盛りの舞を優美に舞います。一つひとつの足の運びと手の動きは、神々や貴重な客人に向けた親しみのこもった挨拶のようです。酒盛りの舞は、新米を祝う祭りや水場を祀る祭り、健康祈願の祭り、結婚式、村の伝統的な祭りに欠かせません。舞の場は、温かみのある長屋や賑わう祭りの広場、あるいはお酒の壺のかたわら。人とコミュニティ、エデ族の文化的なルーツを結びつける場所です。ダクラク省ムドラック村プラオ集落の長老、イー・クット・ニエさんは次のように話します。
(録音)
「エデ族の風習では、酒盛りの舞は、村に喜びごとがあり、お酒の壺を囲む時に舞うものです。家族に不幸があるときには舞いません。祭りとは、若者や娘たちが集まり、村じゅうの人々が共に喜びを分かち合う場なのです。」
エデ族の酒盛りの舞は、お酒の壺の周りを規則正しい足取りでまわりながら、柔らかな動きで表現されます。両手はしなやかに、招き入れ、迎え入れる仕草を、うやうやしく描いていきます。形式こそ凝ってはいませんが、儀礼性と象徴的な意味が色濃く込められており、神々や貴重な客人への敬意を表す舞です。もてなしの心を生き生きと表すと同時に、村の人々を結びつける絆であり、コミュニティの豊かな精神生活を映し出すものでもあります。ダクラク省ドライバン村ホラエアニン集落の伝承者、イー・クロット・ブオン・ヤーさんの話です。
(録音)
「水場を祀る祭りや、健康祈願の祭りの儀式が終わると、村人たちが喜びと豊かさに満たされることを願って、酒盛りの舞が行われます。それは、山の神、水の神、ご先祖様に、銅鑼の音を聞き、この舞を見て、村人たちと共に喜びを分かち合いに来てほしいという呼びかけでもあるのです。」
踊り手は、エデ族の伝統的な錦織りの民族衣装を身にまといます。昔からの慣わしで、お酒の壺に注ぐ水は、村の水場から乾燥させたひょうたんで汲んだ神聖な水でなければならず、ほかの水源から取ることはありません。
ホラエアニン集落の伝承者、イー・クロット・ブオン・ヤーさんはさらに次のように話します。
(録音)
「お酒の壺が3つあれば踊り手は3人、7つあれば7人というように、壺の数に合わせて人数を決めます。通常は5人以上で、必ず奇数とし、偶数では舞いません。」
(エデ族の銅鑼の音)
酒盛りの舞は、単なる儀礼にとどまらず、音楽と動き、そして精神性が一つに溶け合う、生き生きとした芸術でもあります。一つひとつの足取り、一つひとつの手の動きには敬意が込められており、人と自然、神々、そしてコミュニティとの深い結びつきを表しています。響き渡る銅鑼の音と、村人たちの親しみに満ちた笑い声の中で、訪れる人々は、この文化が息づく一瞬一瞬に、温かさと素朴さ、そして神聖さを感じることでしょう。








