ベトナムのトー・ラム党書記長・国家主席によるタイ、シンガポール、フィリピン訪問は、ベトナムが東南アジア諸国連合(ASEAN)において、より積極的な主導的役割と調整役を担おうとしていることを示しています。マレーシアのマラヤ大学の戦略・安全保障問題の専門家、コリンズ・チョン・ユー・キート氏は1日、ベトナム通信社の取材に対し、このように評価しました。

同氏によりますと、トー・ラム書記長・国家主席のタイ公式訪問は、ベトナムとタイが観光、物流、食料安全保障、エネルギー、グリーン成長、民間投資などの分野で連携し、より統合されたASEAN経済圏の構築を目指しているという戦略的なメッセージを発信するものとなりました。

また、シンガポール訪問について同氏は、シンガポールは単なる投資国ではなく、デジタルガバナンス、先端製造業、金融、クリーンエネルギー、イノベーション・エコシステム、サプライチェーン高度化などの分野において、ベトナムの次なる発展段階を支える重要なパートナーであり、モデルとなりつつあると指摘しました。

さらに、シャングリラ・ダイアローグにおいて、トー・ラム書記長・国家主席はベトナムの外交的な発言力と国際的地位の向上に貢献し、地域秩序や海洋安全保障、大国の役割といった地域課題について積極的かつ責任ある姿勢を示すASEAN加盟国としてのベトナムの存在感を強く印象づけたと評価しました。

一方、フィリピンへの国賓訪問は、安全保障協力の面で最も大きな成果を上げた訪問だったと分析しています。ベトナムはフィリピンを二国間の重要なパートナーであるだけでなく、ASEANの海洋協力・海洋安全保障体制における重要な一員と位置づけていると述べました。

同氏は、今回の歴訪はASEANの平和、安定、発展を促進するだけでなく、加盟国間の政治的信頼の強化と協力の拡大にも寄与し、地域問題におけるASEANの結束と中心的役割を一層強固なものにしたと評価しています。